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図2

 

 

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WHO神戸センターの研究体制のイメージ

 

 

(2) 研究テーマ…「都市化と健康」
都市への人口集中は、先進国、開発途上国双方で起こっている世界的現象である。都市の急激な拡大は今後も続き、10年以内には世界人口の半分以上の33億人が都市居住者になると予想されており、都市生活者の多く、特に開発途上国の都市居住者の健康を決定する大きな要因になると考えられている。
また、出生率及び死亡率の低下(平均寿命の伸長)に伴い、高齢化も今や世界的課題になっている。特に開発途上国では高齢者の絶対数が増加しつつあり、近い将来膨大な数の高齢者を支えていかなければならない。若年層とは異なる様々なニーズをもつ高齢者の増加は、21世紀のヘルスケアの最大の課題になるとみられており、緊急の対策が求められている。
WHO神戸センターではこうした現状を踏まえ、世界の政策決定者にとって重大な関心事になっている「社会の都市化と高齢化の問題」に焦点を当て、健康を評価するための新たな指標の策定や研究ネットワークの構築などに取り組んでいる。
また、都市化の進行は災害時の被害を拡大している。センターでは阪神・淡路大震災を踏まえ、「都市における災害への対応」についても研究対象とすることにしており、平成9年1月には、阪神・淡路大震災2周年を記念し、「地震と人々の健康」に関するシンポジウムを開催した。世界から多くの研究者が参加し、近年世界で起きた地震に関する経験、知識の結集の場とするとともに、収集した情報をべ一スに、世界の政策立案者等に提言を行う予定である。なお、平成10年には高齢化と健康に関する国際会議を開催すべく準備を進めている。

 

 

 

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